2008年5月10日 (土)

ウルトラマン『宇宙から来た暴れん坊』

「昼間、子供たちにとっ捕まっていたところを親方に助けていただいた生きた鉱石でございます」

「ああ、そうか。あのときの不思議な鉱石か。石なんてものはみんな同じような顔をしているからわかりゃしねえな…あれからどうした?」

「あれから宇宙へ帰りまして、両親に助けていただいたことを報告しますと、両親とも大変喜びまして…恩人であるから、行って恩返しをしてこい。恩知らずは珪素生物じゃない、炭素生物も同然だとこういうんで」

「良く意味はわからんがひでえことを言うな」

「そんなわけでご恩返しをいたしますので、化けてほしいものを何なりと脳波で申しつけてください」

★落語『宇宙から来た暴れん坊』

【関連情報】

『ギャンゴ』(Wikipedia

『珪素生物』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『狸賽』

宙狸賽(そらたぬさい)』(笛育妖怪館)

 

(古賀)

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2008年3月15日 (土)

ウルトラマン『真珠貝防衛指令』

「四六、五六はどこでわかる。蟇蛙が4割で、鯨が六割だ。これを名付けて四六のガマクジラだ。お立ち会い」

(中略)

「おい、ひと舐め、ひと舐めと言ってるうちに真珠を全部舐めちまったじゃねえか。一体どうするつもりだ?」

「お立ち会いのうちに、真珠爆弾の持ち合わせはないか?」 

★落語『真珠貝防衛指令』

【関連情報】

『ガマクジラ』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『がまの油』

真珠の墓場(しんじゅのはかば』(笛育妖怪館)

 

(古賀)

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2008年1月 6日 (日)

ウルトラマン『無限へのパスポート』

「ご隠居さん、あれ、わかりますか。ブルトンの上下なんか…」

「そんなこともわからないのか。だからお前は愚者だ。ブルトンの付近で飛行機が飛んでいたらそっちが上方で、戦車が走っていたらそっちが下方に決まっているじゃないか」

「へえ、そうですか、よくわかりました。でも飛行機が地を走っていて戦車が空を飛んでいたらどうすりゃいいんで…」

★落語『無限へのパスポート』

【関連情報】

『ブルトン(ウルトラ怪獣)』(Wikipedia

『炭団』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『やかん』

安藤礼古沌(あんどれいぶるとん)』(笛育妖怪館)

 

(古賀)

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2007年9月20日 (木)

ウルトラマン『地底への挑戦』

「ゴールド分が不足してきた」

「ゴールドぶん?」

「そうだ。ゴールドぶんだ。元素記号Au 原子番号79 電気の良導体で展性、延性に富み、重くて黄色の光沢がある」

「それは…糖分とか塩分とかみたいなものか?」

「その通りだ。贅沢をしていると減ってくる、ゴールドぶんが足りなくなると幸福感の低下、活力の低下、生活水準への不満、仙人に弟子入りしたくなる、大仏が建立できないなどの症状があらわれる」

「ゴールド分は…怪獣ゴルドンに多く含まれているのか?」

「はっはっは あたりまえだろう」

★あずまきよひこ『地底への挑戦』(参考:『あずまんが大王』)

【関連情報】

『ゴルドン』(Wikipedia

『金』(Wikipedia

『あずまんが大王』(Wikipedia

金留伝坊(ごるでんぼう)』(笛育妖怪館)

 

(古賀)

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2007年9月15日 (土)

ウルトラマン『恐怖の宇宙線』

成田亨が怪獣をデザインしていると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう子供たちが大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。
(中略)
成田亨は今巨大なお玉杓子を横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪に返すや否や斜すに、上から槌を打ち下した。堅い土管を一と刻みに削って、厚いコンクリート屑が槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻を膨らましながら鼾をかいている怪獣の側面が忽ち浮き上がってきた。その刀の入れ方が如何にも無思慮であった。そうして少しも疑念を挟んでおらん様に見えた。

「能くああ無造作に鑿を使って、思う様な怪獣が出来るものだな」と自分はあんまり感心したから独言の様に言った。すると横にいた子供が、「なに、あれは怪獣を鑿で作るんじゃない。あの通りの怪獣が土管の中に埋っているのを、宇宙線と太陽光線の力を借りて掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出す様なものだから決して間違う筈はない」と云った。自分はこの時始めて怪獣の造形とはそんなものかと思い出した。果してそうなら誰にも出来る事だと思い出した。それで急に自分も怪獣が彫ってみたくなったから見物をやめて早速家へ帰った。

家の裏の空き地に転がっている一番手頃な土管を選んで、勢いよく彫り始めてみたが、不幸にして、怪獣は見当らなかった。その次のにも運悪く掘り当ることが出来なかった。三番目のにも怪獣は居なかった。自分は転がっている土管を片っ端から彫ってみたが、ガヴァドンAタイプもガヴァドンBタイプも怪獣を蔵しているのはなかった。遂に平成の土管には到底怪獣は埋っていないものだと悟った。

夏目漱石『恐怖の宇宙線』(参考:『夢十夜』第六夜)

【関連情報】

『ガヴァドン』(Wikipedia

『夢十夜』(Wikipedia

成田亨』(Wikipedia

画芭奴穏(がばどん)笛育妖怪

 
(古賀)

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2007年9月12日 (水)

ウルトラマン『海底科学基地』

宮毘羅の鼻と云えば、海底科学基地で知らない者はない。

長さは五六〇寸あって、先端が尖り、上唇の上で高速で回転している。云わば、螺旋状の溝を切られた角の如き物が、顔の真ん中で屹立しているのである。

科学基地の者は、こう云う鼻をしている宮毘羅の為に、宮毘羅の人間でない事を仕合せだと云った。あの鼻では誰も妻になる女があるまいと思ったからである。中には又、あの鼻だから怪獣になったのだろうと批評する者さえあった。しかし宮毘羅は、自分が怪獣である為に、幾分でもこの鼻に煩わされる事が少くなったと思っていない。宮毘羅の自尊心は、地中を掘り進むのに便利だと云うような結果的な実用性に左右される為には、余りにデリケイトに出来ていたのである。
★芥川龍之介 『海底科学基地』(参考:『鼻』)

【関連情報】

『グビラ』(Wikipedia

『鼻(芥川龍之介)』(Wikipedia

天狗穴(てんぐあな)』(笛育妖怪館)


 
(古賀)

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2007年9月 8日 (土)

ウルトラマン『果てしなき逆襲』

「ジョワッ(訳:昔石川五右衛門てえ人は油の煮えたぎる釜の中で平然と辞世の句を詠んでらあ。八百屋お七やジャンヌ・ダルクやジョルダーノ・ブルーノを見てみろい、火あぶりだ。このぐらいの怪獣の熱さなんてそれにくらべれば…石川…お七…ジャンヌ…石川五右衛門……うわっ!)」

(我慢できず怪獣を払いのけるしぐさ)

「やっぱりウルトラマンでも10万度の灼熱は熱いかい?」

「ジョワッ(訳・いや、おれは熱くないが、石川五右衛門なら今ごろ溶岩川五右衛門になってさぞかし熱いだろう)」

★落語『果てしなき逆襲』

【関連情報】

『ザンボラー』(Wikipedia

『ジョルダーノ・ブルーノ』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『強情灸』

惨波羅火(ざんばらび)』(笛育妖怪館)

 

(古賀)

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2007年9月 6日 (木)

ウルトラマン『遊星から来た兄弟』

挨拶をしたうちに第8銀河系から来たなにがしと云うのがいた。妙に女のような優しい声を出す異星人だった。尤も驚いたのはこの放射能の霧の中をフロックコート1枚で歩き回っている。異星人だけに御苦労千万な服装をしたものだ。あとから聞いたらこの男は年が年中他の星の住人を互いに戦わせて滅ぼしているんだそうだ。妙な病気があったもんだ。当人の説明では悪は身体に薬になるから、衛生の為めにわざわざするんだそうだ。おれはこの時から、この異星人にブラザー(兄弟)を逆さにしたザラブ星人という名前をつけてやった。
★夏目漱石 『遊星から来た兄弟』(参考:『坊つちゃん』)

【関連情報】

『ザラブ星人』(Wikipedia)

『坊つちゃん』(Wikipedia)

『破拳黒夷通(はあけんくろいつ)』(笛育妖怪館)

 
(古賀)

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2007年9月 1日 (土)

ウルトラマン『ウルトラ作戦第1号』

「見ろ、こうやってビートルを運転している。と、だしぬけに横から赤い玉がとび出してきた。うわっ、たいへんだ。あわててハンドルを切ろうとする。ところがどちらへ切っていいのかわからない。たた大変だ。おどろいてブレーキを踏もうとする。いや違う。これはミサイルの発射ボタンだ。いったいおれはどこにいるのだ。身体の上にあるこのおかしなものはなんだ。この棒は何という。おれは誰だ。名はなんという。なぜ生きている。どかあん」
イデはあきれておれを眺め続けている。
「これが異星人の憑依現象だ」おれは額の汗を拭いながらイデにそういった。
「それ以後は危機に直面するたびに、おれはいつも巨大な異星人に変身するんだ」
「あのう、それは一種の幻覚では」と、イデはおそるおそる訊ねた。
「そうじゃない、異星人の憑依現象はむしろ頭のいい人間にしか起らない、これは情感生活の豊富な、責任感の強い、つまりどちらかといえば知力体力ともにトップクラスのエリート隊員に起りやすいんだ」
「ははあ。そうですか」イデは疑わしげな眼で、じっとおれを見た。
おれは彼の眼を見返し、静かにいった。「あんたの考えていることをあててやろうか。『気ちがいはかならず、自分が何か超人的な存在から力を与えられたものと信じている』そうだろう」
イデはぎくとして身を引いた。
おれはけたけたと笑った。「どうだ。あたっただろう」笑い続けた。
★筒井康隆『ウルトラ作戦第1号』(参考:『筒井順慶』)

【関連情報】

『ベムラー』(Wikipedia)

『筒井康隆』(Wikipedia)

『青魂赤魂(あおたまあかたま)』(笛育妖怪館)

 
(古賀)

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2007年8月30日 (木)

ウルトラマン『空の贈り物』

「そこは私のことだから20万頓もある怪獣をえいやっと目よりも高く」

「たいそうな力だな」

「さしあげようと思ったが流石に重くて無理だった」

「なんだ」

「仕方がないのでこれに水素瓦斯を詰め込んで風船にした」

「おいおい怪獣が風船なんかになるわけないだろう」

「それができたてだから柔らかい」

「一天にわかにかき曇ると見る間に、怪獣墓場の底が抜けたような怪獣の大降りになる。お困りでしょう。一体どうなさる」

「どうするったって、怪獣が降ってきたってんでビートルに傘をとどけさせる」

「あいにく科学特捜隊本部はみんな不在でビートルは傘を持ってこない」

「みんな不在?そりゃあないでしょう。せめてイデの一人ぐらいは…」

「あいにくといない」

「それじゃあしょうがねえ」

「しょうがない、いたしかたないとあきらめがつきますか」

「つかしちゃいます」

「さあ、そこだ」

「え?どこですか」

「さがしちゃあいけない。これすなわち堪忍という心持ち。地底で眠っていた怪獣が目をさまして襲ってくる、宇宙人が怪獣をおくりこんでくるなどと思うから腹も立つ。天が怪獣を降らせると思えば腹も立たない。これすなわち天災だ」

★落語『空の贈り物』

【関連情報】

『スカイドン』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『天災』

空界道運難(すかいどんなん)』(笛育妖怪館

  

  

(古賀)

 

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