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2006年3月26日 (日)

朱手車(あけてぐるま)

ある村に異界からやって来た火炎に包まれた車が現われ、夜な夜な村の周辺を徘徊するようになった。

村人は祟りにあうのをおそれて夜になるとぴったり家の戸を閉ざしこの車を見たり噂をしたりしないよう気をつけていたが、ある一人の女は好奇心に負けてこっそり門戸の隙間から覗き見をし、その車が羽根もないのに空を飛び回るのを目撃してしまった。

見ているうちに車はこちらに向って飛んで来て女の家の前にぴたりと止まり「我を見るよりお前の夫を見よ」と声を出した。

女が後ろを振り返ると、血に染まった真っ赤な片手だけ残して女の亭主は蒸発していたという。

(『宇留寺旧文縁起絵巻』より)

(古賀)


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