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2006年2月 1日 (水)

【高温男低温女共作恋愛小説】

氷をも蕩かすほどの情熱で相手を燃やし尽くす愛、クールに冷たく見えながら生死の極限で相手を包み込む愛、恋と呼ぶにはあまりにも危険な出会い、触れ合うこともままならぬ禁断の関係に身を投げ出した2人の男女の運命とは――京極夏彦が男の視点から、宮部みゆきが女の視点から描き出す人智を越えた究極の恋愛小説。

   

『冷凍と高熱のあいだ―TURUBEBI』 角川文庫 京極夏彦作。

『冷凍と高熱のあいだ―YUKIONNA』 角川文庫 宮部みゆき作。

 

(古賀)

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2005年12月24日 (土)

【江戸庶民精神分析戯作】

式亭三馬著。

「亡者になられた?それは抑圧された攻撃性ですな」

「冷酒でも良かった?それは性的な欲望を暗示していますな」

ウィーンから日本にやって来た心学の開祖が、市井に生きる庶民の赤裸々な欲望を様々な言い間違いや夢の分析を通じて明らかにしていく過程を面白おかしく描き出す。

『浮世風呂糸』 角川文庫

 

(古賀)

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2005年11月10日 (木)

【二進法的性愛指南書】

電子ネットワークの世界で女になりすまし周囲の男たちの寵愛をうけるための様々なテクニックを満載したインドの実践的古典。

『ネカーマ・スートラー』 東洋文庫  ヴァーツヤーヤナ著

 

(古賀)

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2005年11月 4日 (金)

ファウスト

ゲーテ作 岩波文庫

医学と物理学と統計学と運動学と栄養学と人体工学を極め尽した老博士は、美少女マルガレーテにひと目で心を奪われ年甲斐もなく熱烈な求婚をする。しかしマルガレーテは相手が一流のプロ野球選手でないとお嫁に行かないと神に誓いを立てた身だった――悪魔のような天才的医療技術で若返り、のちに「地上最高の一塁手」とまで呼ばれるようになった博士の野球に賭ける情熱と下心を描く。

 

(古賀)

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2005年9月29日 (木)

暗黒館の殺人(上)(下)

綾辻行人作 講談社ノベルス

「…」

「…」

「…」

「…」

「…」

「…」

「…」

「…」

「いてっ」

「あっ、失礼」

「まったく…こうも真っ暗じゃ、ここがどこなのか、ここには何人いるのか、密室なのか密室でないのか、起こったのが殺人なのか人間消失なのかさえさっぱりわからん…」

 

(古賀)

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2005年9月25日 (日)

【頭脳破壊的障害物小説】

地球から何千光年も離れた惑星ブレインの地表にある謎の巨大構築物を調査にやって来た探検隊は、惑星上で今だかって経験したことがない奇怪な現象に遭遇する。

「た、太陽が西から昇って東に沈む・・・」「や、柳の枝に猫がいる…」「タリラリラーン」

次々と意味不明の言葉を叫び正気を失っていく隊員たち。

それが謎の構築物の出す波動が人間の頭脳に干渉したための現象であることが判明した時はすでに遅く、最後に1人だけ正気を保っていた隊長も「レレレのレー」という呟きを残しみんなと同化してしまう。

「これでいいのだ・・・」

遥かなる虚空から一部始終をずっと観察し続けていた存在。彼の真の意図とは一体何か?

解剖学の巨匠が自らの知見を最大限に生かして書きあげた傑作ハードSF。

『バカの壁』 養老孟司著 新潮新書

 

(古賀)

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2005年9月22日 (木)

キムの旅

時雨沢恵一作 電撃文庫

「地上の楽園は美しくなんかない。それ故に、宣伝は美しい・・・」

三国一の美男子キムと言葉は話さないが無言の威嚇は得意な(一種の)飛行機のテポドン。

彼等が出会った人民は、少し哀しくて、とても空腹で、とてつもなく反日だ――今までにないライトな感覚の政治ノベル登場。

『宣伝の国』

『拉致の国』

『捏造の国』

『核カードの国』

 

(古賀)

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2005年9月17日 (土)

おはようミッフィーSEED

ディック・ブルーナ作 講談社

遺伝子操作によって生まれたウサギであるミッフィーと(口が×状なのがコーディネーターの証)、遺伝子操作をうけていないナチュラルな動物であるボリスやグランティたちとの(口が普通なのがナチュラルの証)朝起きてから夜眠るまでの間の激しい戦いを描く美動物キャラ満載の新感覚絵本。

ミッフィーをうさこちゃんとして育ったいわゆるファーストミッフィー世代にはややウケが悪い。

 

(古賀)

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2005年9月15日 (木)

113歳のハローワーク

村上龍著 幻冬社

○仙人 不老不死という将来有望な職業。惜しむらくは修行をはじめるのが少しばかり遅すぎます。あとは時間との競争。

○妖怪 器物や動物は100年以上年を経ると化けるといいます。必要なのは人間としてのプライドを捨てることだけ。

○御前 後ろに黒服の男たちをひかえさせながら、錦鯉を手に抱いて庭の池の黒猫にエサをやりつつ(あるいはその逆)「そろそろ楽にしてやれ。それがあの男のためだ…」とかもってまわった言い回しをするだけでやっていける比較的楽な職業。何とかして権力を手に入れましょう。

○達人 修行を100年ほどはしょっていきなり拳法の達人を名乗りましょう。ハッタリがほどよく効けば1度も立会いをせずに余生をおくれるかも。

○死体置き場の管理人 棺桶に片脚つっこんでいるあなたは死体から親しみを感じられることうけあい。たまには添い寝をしてあげましょう。

○墓掘り人夫 いろいろな意味で手間がはぶけます。

 

珍寿を過ぎるまで1度も仕事をしたことがない言語道断なニート老人のための、あからさまになげやりな職業大全。同じ著者の『13歳のハローワーク』と読み比べてみるのも一興。

 

(古賀)

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2005年9月10日 (土)

ドン・キホーテ

セルバンテス著 岩波文庫

騎士道精神に満ちた高潔さと、風車に突進し ていくような無謀さと、裏切り者サンチョのベッドに愛馬ロシナンテの生首を置くような残酷さをあわせもつ男。ゴッドファーザーの異名を持つスペインマフィアの首領(ドン)キホーテ・デ・ラ・マンチャの波乱に満ちた半生を描いた長篇小説。世界初のギャング文学といわれている。

 

(古賀)

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2005年9月 6日 (火)

アッコちゃんの時代

林真理子作 新潮社

「鏡を貰ったことなど一度もない。鏡がわた しを求めただけ」

魔性の鏡を使って本性を偽り、大将、少将、 カン吉、ガンモと次々男の体を渡り歩く奔放な小悪魔アッコ。

無数の媚態と3つの声を使いわけながら、バ ブルのさ中なのか前なのか後なのかいまいち良くわからない時代の下町を駆け抜ける伝説の女子小学生を描く最新長篇。

 

(古賀)

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2005年9月 4日 (日)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

山田真哉著 光文社新書

プロローグ さおだけ屋の死体はなぜ見当た らないのか?

エピソード1 さおだけ屋とユダヤ人

エピソード2 さおだけ屋をとりまくフリー メーソンの陰謀

エピソード3 実は月面で商売していなかったさおだけ屋

エピソード4 米軍は宇宙人のさおだけを隠 していた

エピソード5 人類はさおだけ屋だけではなかった!

エピソード6 さおだけ脳の恐怖

エピソード7 守護さおだけを持て

エピローグ さおだけダイエット――さおだ け5000本使って無理なく1か月20キロ痩せる

いまだかってなかった画期的な会計学の入門書。

 

(古賀)

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2005年4月 7日 (木)

【社会契約妖怪本】

17世紀の英国を歩きまわっていた妖怪、 『リヴァイアさん』について書かれた思想書。

この妖怪は、夜道を歩いているといきなり現 われ、国家と同じ大きさに巨大化して通せんぼする。

「リヴァイアさん、リヴァイアさん、人民の 契約見せましょか」と唱えると退散するという。

『リヴァイアさん』 ホッブズ著 岩波文庫

(古賀)

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2005年4月 4日 (月)

【宗教的調教本】

ポーリーヌ・レアージュ作 渋沢龍彦訳。

現世の苦痛と念仏を唱える快楽の板ばさみの 中で次第に末法思想に調教されていき、ついには生きながらに阿弥陀仏の奴隷としての極楽浄土の法悦境に辿りついた僧侶の告白。

『往生の物語』 河出文庫

(古賀)

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2005年4月 2日 (土)

【黄金蝙蝠之敵名作文芸】

志賀直哉作。

秤屋の小僧の仙吉に美味しい寿司を腹いっぱ い食べさせてくれたのは、貴族院議員でもお稲荷さんでもなく、「ロンブローゾー」と叫びながら下半身の円盤で空を飛び回る悪の科学者だった。

『ナゾーの神様』 新潮文庫

(古賀)

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2005年3月30日 (水)

【ノーベル賞的老人小説】

ヘミングウェイ作。

一人の老科学者が、光速に近いスピードで泳 ぎ回る大カジキとの長い長い死闘の末、高速で動く物体は運動方向に短縮するという方程式を導き出し、人生についての深い洞察を得る。

『ロー レンツと海』 新潮文庫

(古賀)

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2005年3月29日 (火)

【若年層無業者革命群像小説】

ディケンズ作。

フランス大革命という劇的な事件を背景に、 それでも革命したら負けかなと思って自ら行動に出ようとはしない85万人の若者たちの姿を鮮やかに描き出す。

『ニー ト物語』 新潮文庫

(古賀)

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