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2006年7月

2006/07/09

奇談 キダン

05/日本

監督 小松隆志

製作総指揮 小松靖

脚本 小松隆志

出演 阿部寛 藤澤恵麻 ちすん 神戸浩他

原作 諸星大二郎

STORY】

「わたしの名は稗田礼二郎、古墳についての新説で物議をかもした新進の考古学者だ。わたしの考えは空想的すぎるのか…?古墳は王の墓であったとともに悪霊が現世と異界を往還する通路だった。装飾古墳の石室の文様はその通路を開け閉めするための呪文だと断じても間違いはない。しかしその異界を…人間がどじなことやうっかりしたことをしでかすと引き込まれてしまう『ど次元の世界』だと解釈し、日本各地のそこつ者伝説と結びつけるに至っては、マスコミ受けを狙っている胡乱な学者とみなされてもやむを得んか…」

礼二郎が聖書異伝『世界開始の科の御伝え』調査に訪れた東北の隠れキリシタンの村で巻き込まれた奇怪な人間消失事件。彼はそこで神隠しにあった人々が全てうっかりものの人、ものわすれのひどい人、どじな人ばかりであることを調べあげ、この三次元世界のすぐ隣にあるが普通の人間には見ることも感じることもできない『ど次元の世界』に行ってしまったのではないかと推理する。

ど立第三中学校の生徒で父親が神隠しにあった林元太(通称どじ元)という少年の協力により、バケツの底に奇妙な文様を描き加えど次元世界への通路を作り出すことに成功した礼二郎。ど次元世界へと足を踏み入れた礼二郎と元太は、造物主(作者)がいいかげんに思いついたためになにげなくふと存在する異形の者たちが封印を解いて地上に出ようとする光景を目のあたりにする。

「太古に2種類の人類がいた。知恵の木の実を食べたあだん(アダム)の一族と生命の木の実を食べたじゅすへるの一族。そしてこのど次元にいる者たちは全て、知恵の木の実を食べなかったためについついそこつなことやどじなことをしでかしてしまうじゅすへるの一族だ。彼らは一定の時期がくると、ついうっかりこのど次元の世界に引き込まれ、自然なものすべてを憎む邪悪な異形の者と化していったのだ。彼らがよびかけているあの空間を見ろ!あれは彼らが生まれて帰っていく造物主(作者)の頭の中の世界なのだ。きりんと参る日まで苦しみつきざると言うなり……」

「先生、いろんな話がごっちゃに混ざりすぎですよ。じゃなくて、どうすればこの世界から抜け出せるのでしょうか」

「うむ、いいかね。われわれはどじなことをしたためにこの世界にきた。この世界はまともでないことだらけである。したがって、ど次元の世界ではまともなことをすればまさつがおこって、他の世界へ行くことができるにちがいない」

「でもひと口にまともなことといっても…」

「まあ、わたしのやり方をみておれ」

ふんどし一丁の裸になりザルを持って泥鰌すくいを踊りだす稗田礼二郎。

「カラスムギガホーサクダヨ~インゲンマメモ~」

どこからともなくわらわらと集まってきたヒルコ、人似草、邪ぶる神、玄牝、木星第一衛星イオの住人、カオカオ様。

「異界の住人たちが先生に親近感を感じているようですね…」

「てめーらいいかげんにしないと、どてっ腹にカツブシ三本つっこんで猫けしかけるぞ!!」

そこに突如どてっ腹にカツブシつっこまれ猫に追われながらあらわれた元太の父。

「見ろ、このみにくい姿を!これも禁断の場所をおかした報いだ!」

「父さん!」

「あきらめろ、父さんは死んだんだ!」

何とかど次元の世界から抜け出し、バケツの文様を消してど次元への通路を封印した礼二郎と元太。

「ここは禁断の場所だ。2度とあけてはいけないのだ…」

稗田礼二郎のノートはここまでである。ど次元の世界はいまだ神秘のベールに包まれ、そこでは元太の父が猫におっかけられているという…。

熱烈なファンを多く持つ漫画家諸星大二郎の最高傑作として名高い『ど次元世界物語』『生命の木』『黒い探求者』。三作とも甲乙つけ難いので全てをミックスして完全映画化。

【関連キーワード】

『妖怪ハンター』

(古賀)

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