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November 02, 2005

パッション

「見るてえと、そいつがおまえにそっくりだ。こうなっちゃあ、おめえだってしかたがあるめえ。因縁だと思ってあきらめろ」
「なんだか、ちっともわけがわからねえ」
「ばかだな、こいつは・・・・・・まだ気がついてねえんだな・・・・・・おう、おめえはな、きのう・・・・・・でな・・・・・・死んでるよ」
「おい、よせやい。おれが死んでるなんて・・・・・・だっておれはちっとも死んだような気がしねえぜ」
「それがおめえはずうずうしいっていうんだよ。はじめて死んだのにどんな気がするか、そうそうすぐにわかるものか。」
「そういわれてみると、今朝はどうも気持ちがよくねえ」
「そうれみろ。だから早くいかなくっちゃいけねえ」
「どこへ?」
「どこへってきまってるじゃねえか。死体をひきとりにいくのさ」
「だれの?」
「おめえのよ」
「だって、なんぼなんでも、これがあたしの死体ですなんて、じぶんでいくのはきまりがわるくって・・・・・・」
「ばかいうな。当人がいって当人のものをもらってくるのに、きまりがわるいもハチのあたまもあるもんか。さあ、いっしょにこい・・・・・・ほら、ここだ。ここにいっしょにはいるんだ」
「勝手にはいって怒られないかなあ?」
「なにいってやんでえ。じぶんの死体を持ってくのにだれの遠慮がいるもんか・・・・・・うんしょ、うんしょ・・・・・・ふう、やっと開いた。ぐずぐずしねえで早くこの中に入れ・・・・・・ほら、そこの布をまくって見ろい」
「では、布をまくって・・・・・・あれ、これがおれか?」
「そうだよ」
「なんだか、ずいぶんきたねえつらをしてるなあ」
「死顔なんてかわるもんだよ」
「なんだかすこし長えようだな」
「ぶらさがってるあいだにのびちゃったんだよ」
「へえ、そんなものかなあ・・・・・・あっ、やっぱりおれだ」
「そうだろう、わかったろう」
「やい、このおれめ、なんてあさましいすがたになっちまって・・・・・・こうと知ったらもっとうめえものを食っとけばよかった。どうしよう」
「どうしようたって、泣いててもしかたがねえ。なにごとも因縁だとあきらめるんだ。さあ、死体をひきとらなくっちゃあ・・・・・・おい、おめえ、あたまのほうを持て。おれが足のほうを手つだうから」
「でも、なんだかわからなくなっちまった」
「なにが?」
「ゴルゴダの丘ではりつけにされて死んだのはたしかにおれなんだが、それを抱いているおれは、一体どこのだれだろう?」

『婦人たちは安息日には掟に従って休んだ。そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。見ると、石が墓のわきに転がしてあり、中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。』 

ルカによる福音書 第24章1~3節

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04/米

監督 メル・ギブスン
製作 メル・ギブスン ブルース・デイヴィ スティーヴン・マクヴィーティ
出演 ジム・カヴィーゼル モニカ・ベルッチ マヤ・モルゲンステルン他

誰も描けなかった真実ゆえの衝撃!アカデミー賞監督メル・ギブスンがイエス・キリストの受難と復活の真相に挑む。


(古賀)

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