« 2010年1月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年4月

2010年4月18日 (日)

落語『韜晦長屋』

自分の都合の悪い質問にはいろいろと訳のわからないことを言って誤魔化すということが世の中には良くあるようでございます。
「みんなに集まってもらったのはほかでもねえ。大家が月番のおれをよんで、みんなの顔をそろえてきてくれとこういうんだ。おれのかんげえじゃあ店賃の催促じゃねえかと思うんだが、大家が催促するからにゃあ、みんな相当ためこんでるんじゃねえのか?どうだい、俊さんとこなんか?店賃いつ持ってった?」
「韜晦趣味、という言葉をご存知でしょうか。」
「なんでえ、それは」
「海外の作家さんにはわざと店賃を払わず、その事実をぼやかしておく人が少なくありません。私にもその気があるようです。」
「あれ、海外の作家さんと自分を一緒にしてやがる。ずうずうしいったらありゃしねえ」
「星新一さんは自分が最後に店賃を払ったのはいつだか空白にしておいて、『ここらへんはいずれ自伝に書くかもしれないので』とおっしゃって書かぬままに無くなられました。後にその部分を調査された最相葉月さんの著作は大佛次郎賞を受賞されています。私の店賃の研究で賞をとれる可能性は低いでしょうが(笑)、月番なら、韜晦趣味の店子をつついてもあまり意味がない、とお気づきください」
「いいかげんにしろ。大学を出たかどうかもわからねえような奴が韜晦趣味なんて難しい言葉で気取りやがって。そんなことよりおめえは天井や壁の板を平気で焚き付けにするから、家が今にも崩れそうになっているじゃねえか。大家に見つけられたらどう誤魔化すつもりだ」
「えへん、これが本当の倒壊趣味でございますと」
(客席。しばらくの間、笑)

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『長屋の花見』

「青山学院大文学部英文科卒」という韜晦大自信 (トンデモない一行知識の世界2)

「(しばらくの間、笑)」じゃ怪しさ三割増なんですが<モンティ・パイソン(トンデモない一行知識の世界2)

学歴倒壊の韜晦趣味(藤岡真blog

韜晦人間。(唐沢俊一検証blog)

執筆者:唐沢俊一(あぁルナ本公演「悪役照会」稽古場日誌!)


(古賀)

| コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年1月 | トップページ | 2010年10月 »