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2008年8月

2008年8月15日 (金)

落語『心に残る聖書の言葉6』

「もしあなたが本当に神の子であるなら、ここにある石がすべてパンになるように命じてごらんなさい」

「人はパンのみにて生きるにあらず。サタンよ、退け」

「まあまあ、ここは3人で手分けをして各自三分の一ずつここにある石をパンに変えるというのはどうじゃ。キリストは起こさなくてもすむ奇跡を三分の一起こしてしまったから損、サタンはキリストを試みるだけのつもりだったのに自分も奇跡を三分の一起こさなくてはならなくなったから損、この越前もこんな異国の地で三分の一奇跡を起こすはめに陥ってしまったから損、これすなわち三方三分の一損じゃ」

この大岡さばきは、神も悪魔も人間も三方傷つかない名おさばきとして今も世に残っています。

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『三方一両

 

(古賀)

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2008年8月14日 (木)

落語『だくだく』

画家の先生を呼んで来て、壁に可愛い女の子を描いてもらった八五郎。

「壁から女の子が出てきたつもり…やわらかい敷物に寝かせたつもり…優しくするからねと言い聞かせたつもり…自前の槍を手に取ったつもり…シュッシュとしごいたつもり…エイヤッと下腹を突いたつもり」

覗き穴から八五郎の様子を見ていた泥棒、思わず

「あイタタタタ、血がだくだくと出たつもり」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『だくだく』

 

(古賀)

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2008年8月13日 (水)

落語『ばた犬』

人間に生まれ変わりたいと八幡様に祈願した白犬が、人間の若い男になれたのはいいがはだかのままなので困っているところを通りがかった商家のお内儀さんに気にいられ、その家で奉公をすることに。

「おい、食卓にバターが置いてないよ。バターはどこにいったんだい…バターはないのか。バター居ぬか」

「はい、今朝ほどお内儀さんのを舐めました」

【関連情報】

『バター犬』(Wikipedia

【上方落語メモ第6集その279】 『元犬

 

(古賀)

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2008年8月10日 (日)

落語『やかん指南』後編

「じつは、わたくし笛育長屋の若い者でございますが、ひとつ知ったかぶりの稽古をしていただきたいと思いまいりました」
「わかりました、どうぞこちらへ…そちらの方は?」
「へえ、この野郎は稽古をしないんで。稽古をお願いするのはわたくしだけです」
「では、お連れさんはそちらで少々お待ちくださいまし……ところで今日はどういう知ったかぶりを稽古なさいます?」
「どういう知ったかぶり?知ったかぶりにもいろんなのがあるのでしょうか?」
「そりゃあございますよ。掲示板での知ったかぶり、ブログでの知ったかぶり、mixi日記での知ったかぶり、チャットでの知ったかぶり、本を書いての知ったかぶり、テレビに出演しての知ったかぶり、講演での知ったかぶり、給湯室の噂話での知ったかぶり、いろいろなレベルの知ったかぶりがございますが、どういう知ったかぶりを稽古なさいますか」
「なにぶん初めてなもので…ここはなるべくやさしいのをお願いします」
「それでは、知ったかぶりの中でも基本中の基本、やかんについての知ったかぶりをまずお教えいたしましょう」
「へえ、どうかここはひとつ、そのやかんについての知ったかぶりを」
「まずやかんのことは昔はやかんと言わず、水わかしと言っておりました。法律上の正式名は『純正熱気水沸器具』」
「なるほど」
「19世紀になって、当時のイギリス貴族のヤカン伯爵(第4代ヤカン伯ジョン・モンタギュー)という人が、ワーテルローの戦いで突然フランス軍が夜討ちをかけてきた際にいくら兜を探しても見つからなくて困ったような場合に兜の代用品になるようにと考え、金属の水わかしを考案しました。これがやがてやかんと呼ばれるようになりました」
「へえ。じゃあそれまでは金属の水わかしじゃなかったんですか?」
「そう。ふだんかぶる布の帽子に水を入れてそのまま水をわかしていたのですが、これではどうもよろしくない」
「なぜですか」
「考えてごらんなさい。金属の水わかしだからこそ、これを兜のかわりにかぶって出陣した若武者にみんなで矢を射かけてもびくともせず、矢がカーン、矢がカーン、矢がカーンのヤカンということで一条の物語になる。布の帽子では矢を射かけると、矢がグサー、矢がグサー、矢がグサーのヤグサで、全身矢が刺さったまま立ち往生したヤクザ者の由来にはなっても、やかんの由来にはならない」
「なるほど」
「それに熱いのを我慢してかぶっていたらすっかり毛が抜けたというやかん頭の由来を語るのにも無理がある」
「わかりました。今のがやかんについての知ったかぶりというわけですね」

そういうやりとりを横で聞いていた連れの男。
「けっ、なにを言ってやんでえ。どうもあきれたもんだ。教わるやつも教わるやつだが、教えるやつも教えるやつだ。今のがやかんの由来だと?馬鹿馬鹿しい。今のはどう聞いてもサンドイッチの由来じゃないか。本当は昔はゴム製のコンドームがなかったから、鉄兜や金属の水わかしをかぶせて避妊具代わりにして野外で性行為を行ったことに由来するってえ話じゃねえか。野外での姦淫、野外姦淫、野姦、野姦、野姦、のやかんだ。うろ覚えだが間違いねえ」
「ああ、あのお連れの方は器用だ。見ていておぼえた」
(参考:ちくま文庫『落語百選・夏』朝生芳伸編、講談社文庫『古典落語・下』興津要編)

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落語のあらすじ 千字寄席 『やかん』

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(古賀)

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2008年8月 9日 (土)

落語『やかん指南』前編

無学者、論に負けずなんてことを申します。

「熊さん。すまないが、ちょっとつきあってくれ」
「つきあえ?どこに」
「じつは、ちょいとひとつ稽古してみたいものがあるんだ。いっしょに行ってくんねえ」
「稽古?へえー、一体何を稽古するんだ」
「この笛育長屋の10軒先に『知ったかぶり指南所』てえのができたんだ。で、そこへ行ってひとつ知ったかぶりの稽古をしてみようと思うんだ」
「あきれかえったな、おまえは……知ったかぶりなんてえものは、うっちゃといても、何かのはずみで出るもんだ。あんなものをわざわざ金を出して稽古する馬鹿があるかい」
「おまえのように言っちゃあはなしはおしまいだ。なるほどおまえの言うとおり、知ったかぶりなんてえものは、うっちゃっといても出るよ。出るけれども、向こうはわざわざ銭をとって教えるんだから、どこかちょいと乙なところがあるんだよ。一緒に行ってくんねえ」
「しようがねえなあ」

(以下後編)

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(古賀)

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