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2007年5月

2007年5月20日 (日)

落語『日本国憲法』後編

「あーん、あーん、おばさんとこの『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』が、あたいのあたまをぶって、こんな大きなこぶをこしらえたよう」
「あらまあ、それじゃあなにかい、うちの『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』が、金ちゃんのあたまをぶってこぶをこしらえたっていうのかい。ちょいとおまえさん、聞いたかい。うちの『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』が、金ちゃんのあたまへこぶをこしらえたんだとさ」
「じゃあなにか、うちの『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』が、金坊を叩いて金坊のあたまへこぶをこしらえたってのか」
「言っちゃなんだけど、どうしてうちの『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』はこうも乱暴者なんだろう。」
「うーん、ひょっとして名前が悪いのかもしれねえ」
「名前が悪い?長すぎるのがいけないってことかい?」
「いや、あの時これじゃあ長すぎるかもしれないと思って少しだけ短くしたのがかえって悪かったかもしれない。それでこんな乱暴者に育ったのかも」
「少しだけって、どこをどうやって短くしたんだい?」
「一部を省いたんだよ。あれぐらいならいいかなと思って」
「何を」
「9条を」
「あらまあ。そうだったのかい」
「おかげで近所から苦情(くじょう)がひっきりなしだ」

次回、最強のライバル登場。
「どけい!貴様ごときの名前では読み上げるだけで金坊のたんこぶをひっこませることはできん!ここはこの俺にまかせてもらおうか」
「はっ、おまえは『民法第一編総則第一条基本原則私権ハ公共ノ福祉ニ遵フ (中略) 第一〇四四条相続人及び相続分の規定の準用 (中略) この法律は、平成十四年四月一日から施行する。』!!!」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『寿限無』

『日本国憲法』(Wikipedia


(古賀)

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2007年5月19日 (土)

落語『日本国憲法』前編

「おや、熊さん、いらっしゃい。何かあらたまったご用でも」
「へえ、うちのほうで最近男の子がうまれまして、なにかいい名前をつけてやりてえとおもってるんですが、かかあのいうには、逆が順に帰って、凶が吉に帰るから、近所に住んでいるあの役立たずの憲法学者につけてもらったらいいとこういうんで」
「役立たずとはおそれいったな」
「おや、聞こえましたか」
「だれとはなしをしているんだい?」
「すいません。まあ、ひとつおねげえしやす」
「よろしい承知した」
「なにかこうおめでたい、すてきな名前をつけてください」
「それでは六法全書のなかにはおめでたい文字がいくらもあるよってにそのなかからつけてあげよう。『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍の起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する』というのはどうかな?」
「なんです?『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍の起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する』というのは?」
「むかし唐土の国に『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し』という国があって、『われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と』という王様と『わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し』というお后様のあいだに『政府の行為によって再び戦争の惨禍の起ることのないやうにすることを決意し』と『ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する』という双子のお姫様がうまれて、このふたりがたいへんに長生きしたというな」
「へえ、ほかにありますか」
「そうじゃな。『そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである』とか」
「どういう意味です?」
「3000年に1度、天から舞い降りてきた国民が厳粛な信託で国政をひとなでするのだが、その国政をなでつくして、権威も権力も福利もすりきれてなくなってしまうのを、人類普遍の原理という。これは何万年何億年か、とてもかぞえつくせないのでおめでたい」
「こりゃあますますいいや」
「『われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する』……憲法も法令も詔勅も、いくら排除しようとしてもいずれも排除しつくすことができない、数限りないというのでおめでたい。『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』……『日本国民』という相撲取りが『恒久の平和』という花魁にふられて、故郷に帰って『人間相互の関係を支配する崇高な理想』という豆腐屋をひらいたところ、『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』という名前の女乞食がおからをもらいにやって来たというのでおめでたい」
「何か違うのが混ざってきたような気がしますが…面倒だからこの際全部この紙に書いていってください」
「よろしい。今書いて進ぜる……さあ、この中からいいのをとりなさい」
「へえ、ありがとうございます。えーと『日本国憲法 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、(かなり中略)この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ』……あとであれにすりゃよかった、これにすりゃあよかったと後悔しないように、いっそみんなつけちまいます」
「おいおい、それはらんぼうだよ。長くてしまつがわるいじゃないか」
「そうですか。それじゃあこうしましょう」
(以下後編)

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『寿限無』

『日本国憲法』(Wikipedia


(古賀)

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