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2006年12月

2006年12月30日 (土)

落語『百匹目の猿後家』

宮崎県の幸島にある大店の後家さんは、容貌がサルに似ているので陰で猿後家と言われている。当人はそれをいやがり「サル」という言葉を店に出入りする人々すべてに対し禁句にしてしまった。

ところがいつのまにか「サル」を禁句にする風習が店の中からどんどん外に広がり、ついには全く接触がないはずの大分県高崎山の商人の家でも「サル」という言葉が禁句になった。幸島の大店に出入りしているライアル・ワトソンという男は日頃から後家さんの機嫌取りにぬかりがないが、旅のみやげ話でこの高崎山の商人の話を面白おかしく語っているうちに、つい口をすべらせて「もうこの店では皆が見ざる聞かざる言わざるで」などと言ってしまい後家さんのご機嫌をひどくそこねてしまう。

その後、番頭さんに頼んで何とかとりなしてもらった男。
「ご機嫌がなおって何よりです。御当家を出入り止めになっては、私は木から落ちたサ…」
「えっ、なんです」
「いえ、木から落ちたサイエンスエンターテイナーでございます」

【関連情報】

『百匹目の猿現象』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『猿後家』


(古賀)

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2006年12月23日 (土)

落語『化け久』

猫は三年飼われて三日で恩を忘れ、お化けは三日飼われて三年分の食料を食い尽くすなどと申します。

ある家の居候で、久太郎という妖怪変化、俗にいうお化け。人に化けられない出来損ないのお化けと悪口を言われても、にやにや笑っているという、たいへんにおとなしい化け物でございます。それがために、だれいうともなく化け久太郎、化け久太郎とあだ名によびますが、近所では、もう太郎がなくなって、化け久、化け久で通っております。
このおとなしい化け久先生が、ある日のこと、顔色をかえてわが家へとんで帰りまして、「さあ、きょうというきょうは、どうしてもかんべんできねえ。相手の犬を殺しちまうんだから、脇差をだせ、刀をだせ、地球破壊爆弾をだせ!」と、わあわあどなっております。

「あっ、そうだ。おまえさんに聞けばわかるだろう。とうとう久があばれだしたっていうじゃねえか。どんなぐあいだったい?」
「どんなぐあいって、久の顔色ってえのをごらんにいれたかったね。おらあ、生まれてから今日ぐれえおそろしいとおもったこたあねえね。よくお化けは魔物だなんていうが、たしかにそれにちげえねえ。目は目玉焼きみてえにかっと見開かれ、口は2つはえている耳までさけ、みみずが1匹這っていてその下に毛が3本あるかと思うほどなんだ。ご飯を20杯おかわりするようなすごい勢いで、ふーっとおもてへ風を切って空を飛んでいったのを見たときにゃあ、おらあ、あっというまに久太郎とおもってぞーっと身ぶるいがでちまった」


(古賀)

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2006年12月16日 (土)

落語『一人酒盛』

熊五郎が良い酒をもらったから一緒に飲もうと留吉をさそったはいいが、自分一人べらべらしゃべっては飲み、べらべらしゃべっては飲みでちっとも留吉には酒をついでやらない。とうとうしまいには酒がなくなってしまった。

「実にいい酒だ。どうでえ、留公、うめえだろう」
「いいかげんにしろ、さっきから自分ひとりで飲みやがって……おれの口には一滴たりとも入ってこねえじゃねえか。もういい、おれは帰る」
「どうしたのさ。留さん、すごい勢いで乗ってきた車で帰っちゃったけど」
「なあに、いいんだ。うっちゃっとけ。留公には飲ませない方が良かったんだ。あの野郎はmixiでの日記癖が悪いんだから」 

【関連情報】

『ミクシィで「飲酒運転告白」 「冗談」が重大な結果に』

落語のあらすじ 千字寄席 『一人酒盛』


(古賀)

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2006年12月 9日 (土)

落語『鹿政談』

「シカにうっかり薪をぶつけて撃ち殺してしまった豆腐屋は死罪にしてもいい?しなくてもいい?―曲淵甲斐守の白黒つけます!!」

うーん、今回は簡単だとぼくは思っていた。だって、豆腐屋は親孝行で正直者だものね。これからもずっと美味しい豆腐を作り続けてもらわなければならないのだ。この質問のこたえなんて考えるまでもない。けれど、最近の奈良の情勢をみんながどんなふうに感じているのか、それが探りたくてこのテーマにしたのだ。

「シカを殺した者は打ち首!」
(住所不明・与太郎さん)。
「シカを殺した者は釜ゆで!」
(貧乏長屋・熊さん)。
「シカを殺した者には大旦那の義太夫を聞かせる!」
(海外在住・番頭さん)。


ふー、びっくりした。でも、「シカ」派の意見はほぼ一点に集中している。シカを殺したものはたとえ過ちであっても死罪という定めだから、厳罰にするというもの。それ、ほんとなのかなあ。

今回のお裁きは数字のうえでは「シカ」派が圧倒的だったけれど、応募しなかった多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて「これはシカではない、イヌじゃ」と決定させてもらいます。これにて一件落着。

【関連情報】


【上方落語メモ第3集その112】 『鹿政談』

中国、韓国とは仲良くした方がいい?しなくてもいい?―石田衣良の白黒つけます!!

TVアニメ サイレント魔女☆リティ 公式サイト


(古賀)

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