落語『百匹目の猿後家』
宮崎県の幸島にある大店の後家さんは、容貌がサルに似ているので陰で猿後家と言われている。当人はそれをいやがり「サル」という言葉を店に出入りする人々すべてに対し禁句にしてしまった。
ところがいつのまにか「サル」を禁句にする風習が店の中からどんどん外に広がり、ついには全く接触がないはずの大分県高崎山の商人の家でも「サル」という言葉が禁句になった。幸島の大店に出入りしているライアル・ワトソンという男は日頃から後家さんの機嫌取りにぬかりがないが、旅のみやげ話でこの高崎山の商人の話を面白おかしく語っているうちに、つい口をすべらせて「もうこの店では皆が見ざる聞かざる言わざるで」などと言ってしまい後家さんのご機嫌をひどくそこねてしまう。
その後、番頭さんに頼んで何とかとりなしてもらった男。
「ご機嫌がなおって何よりです。御当家を出入り止めになっては、私は木から落ちたサ…」「えっ、なんです」「いえ、木から落ちたサイエンスエンターテイナーでございます」
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(古賀)
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