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2006年3月

2006年3月27日 (月)

落語『黄金まんじゅうこわい』

「まあ、お前はなんて卑しい畜生なんだろう。こわいこわいと言いながらあれだけあったモノを残らず食べてしまうなんて…。さあ、白状おし。本当は一体何がこわいんだい?」
「うう…、今度は特別に濃厚なお茶が一杯こわいです」
「ふふ…じゃあ口をあけて一滴残らず飲むんだよ。こぼしたら承知しないよ!」


(古賀)

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2006年3月19日 (日)

落語『半分ぷら』

ルルイエの舘にやってきた客に、邪神の眷属である深きものどもが「うちの旦那様は背伸びをすると月まで頭が届く」「朝食にぺろりとアトランティス半分をめしあがる」などとんでもない自慢話をするから奥で眠ったふりをしているクトゥルフは恥ずかしくてしようがない。

星の配置が適当なときに眷属たちを呼び集め「そんな風に自慢話ばかりしているとかえってスケールが小さく思われて畏れられなくなるからよくない。昔日本を旅したときに富士山を見てさすがに大きなものだなあと感心していると、茶屋のばあさんが、大きく見えても半分は雪でございます、と謙遜した。それを聞いて富士山がより一層大きく見えた。お前たちもへりくだりの美徳を忘れてはいかん」と小言を言う。

そこへまた別の客がやって来て「そちらの旦那様は月まで届くほど大きいそうで」と言うと「いいえとんでもない。嫌気性バクテリアに仲間と間違えられました」「大陸をぺろりとたいらげるそうで」「いやいや、二酸化炭素分子1個が食べられず酸素原子を半分残しました」と今度は逆に極端に卑下する。クトゥルフいたたまれず奥から顔を出す。

客「いやあ、見違えました。大きな体ですなあ」
眷属「なあに、大きいのは見かけだけのこと。半分はプランクトンでございます」


(古賀)

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2006年3月 5日 (日)

落語『鍬潟』

ニ尺二寸しか身長がなくいつも皆に馬鹿にされている格闘家の男が、知り合いからもし三尺二寸に巨大化した鍬潟(虫)がいたとしたら七尺余の最強の相撲取りの雷電でもとうていかなわないという話を聞き昆虫の格闘能力の偉大さを知る。

よし、昆虫に稽古をつけてもらい強くなろうと神社に願かけに出かけた男は、そこで好都合にも三尺三寸に巨大化した蟷螂(カマキリ)に遭遇した。勇敢に闘いを挑んだまでは良いが、叩いても蹴っても応えない強靭な外骨格と、いくら揺らしても脳震盪が起こらない頭部と、後方も前方と同じく完全に把握可能な複眼を持つ蟷螂に大苦戦を強いられた男は、ついにはへとへとになったところを鎌のような前脚につかまえられ身動きできないよう抑え込まれてしまう。
「助けて、押し潰される!」

そこで夢(脳内妄想)から目をさました男。よくよく見ると体の上にのって自分を押さえつけている重石のような物体は昆虫の蟷螂ではなく神社の石灯籠だった。


(古賀)

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