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2006年1月30日 (月)

落語『うそつき弥次郎』前編

「おや弥次郎さんじゃないか。どうもひさしくあわなかったな」
「これは、ご隠居さん。おひさしぶりです」
「2、3年見かけなかったようだがどこへ行ってたんだい?」
「えへへ、銀河パトロールに入り宇宙を股にかけてあちこちで大活躍してきました」
「これは大きく出たな。一体どんな活躍をしてきたんだ?」
「まず冥王星に悪い宇宙海賊を退治に行ってきました」
「冥王星…ふーん、ずいぶん遠いところへいったな」
「遠いのは宇宙船でひとっ飛びですからいいんですが、寒いのには驚きました」
「そんなに寒いかい?」
「ええ、なにしろ宇宙海賊を見つけて光線銃で撃つと、光線が相手に届く前に途中でかちかちに凍りついて落ちてしまいますんで」
「ばかをいいなさんな。いくらなんでも光線が凍るやつがあるかい」
「それが凍ってしまう、そのぐらい寒さがすごい。宇宙海賊の方もこちらに気がついて熱線銃を撃ち返すんですが、熱線の方もこちらに届く前に途中で冷えてしまいちょうどいい加減の温線になってしまいます」
「おいおい、じょうだんはよしとくれ」
「光線や熱線では勝負がつかないので、それならとばかり水素爆弾や反陽子爆弾を発射して熱核戦争に持ち込もうとしたんですが、これも途中で冥王星の冷たい風に吹かれると熱がさめてしまい東西スパイの暗躍する冷たい戦争に変わってしまう」
「何だかわかったようなわからないような理屈だな」
「これではらちがあかないのでビームサーベルを抜いて接近戦に持ち込むことにしました。9人目まではうまく斬りたおせたんですが、10人目を越えたあたりからビームサーベルの光が寒さのためにどんどん弱くなり、蛍光灯サーベルになり、白熱電球サーベルになり、ついには提灯サーベルになって役に立たなくなりました」
「なんだい、提灯サーベルというのは。変なことばを作っちゃいけないよ」
「相棒のロボットの権助にも『キャプテン、提灯にはおよばねえ。もう夜が明けただ』とからかわれる始末」
「もうおよしなさいよ。ばかばかしい」
「こうなっては仕方がない、命あっての物種と宇宙船で逃げ出すと、あとから海賊がどんどん追ってくる。逃げながら、ひょいと前を見ると、前にあるのは宇宙の果てでそこからどうどうとエーテルが宇宙の外に流れ落ちている。たくさんの海賊に取り囲まれ、逃げ場はなし、進退ここにきわまった」
「どうなったい?」
「以下後編」


(古賀)


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