2009年10月25日 (日)

落語『酢豆腐(原話)』

ある若い男が昨夜買ってきて今朝見たら黄色くなっていた豆腐を、「どこかの変物が食べるかも知れない」と木の枝から糸でぶら下げておいた。そこへ腹をすかせた若旦那が通りがかって豆腐を見つけ、豆腐をとろうとして力一杯跳躍したが、1度端をちょこっと囓ることに成功したぐらいで後は何度やっても届かない。とうとうへとへとになった若旦那は腹いせに「ふん、酢豆腐は一口に限る」

【解説】
話術の名手相曾鳳珠(あいそぽうす)が京都所司代の御前で話した小咄を筆録した笑話集『兎亀笑』に出てくる『酢豆腐』の原話。現在演じられている『酢豆腐』では若旦那が実は狐の化けた偽物だったことになっている。

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『酢豆腐』

『すっぱい葡萄』(Wikipedia


(古賀)

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2009年8月26日 (水)

落語『エンドレスエイトそば』

ハルヒ「夏休み最後の日のいい思い出作りになったわね!それじゃあ、さっき借りた焼きそばの代金310円返すわよ。ちゃんと手をこっちにだしなさい。10円玉しかないから間違えないように勘定してわたすんだから!……1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、……キョン、今日は何日かしら?」
キョン「今日?今日は8月17日に決まってるだろう……なんだ、この既視感は?」
ハルヒ「18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31」

それを横でじっと見ていた一人の女。
長門「今ので15498回目……まあ、わたしの役割は観測だから」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『時そば

『涼宮ハルヒシリーズ』(Wikipedia

『エンドレスエイトとは』(ニコニコ大百科)


(古賀)

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2009年8月23日 (日)

落語『素人千摺』

商家の旦那が最近マスターベーションにこりはじめ、店の者や長屋の者を無理矢理呼び集めてその前でいろいろなマスターベーションのやり方を実演することにした。みんな内心これはたまらないと思っているが、本当のことを言うと追い出されてしまうので何も言わない。

いい気になって夢中で実演している間にみんなが呆れていびきをかいて寝てしまったのに気がついた旦那はカンカンになるが、一人小僧の定吉だけが寝ないで泣いている。旦那、気を良くして「私のやり方のどこが良かったんだ。蒟蒻を使ったやり方か?」「そんなんじゃありません。あそこです」「あそこは私がマスターベーションを見せていた場所じゃないか」「私があそこの後始末の係なんでございます、トホホ」

【解説】
1 よりバレばなしっぽく「それは私がマスターベーションに使った棹じゃないか」「その棹をしまうのが私の係なんでございます」と落とす場合もある。
2 かっては芸人に食事をたかって文句を言われた旦那が「大岡食わねえ たった越前」と言って落とす関西落語バージョンが存在したが、「人にマスターベーションを見せつける以外は人格者であるはずの旦那のイメージにそぐわない」という批判が多く、現在ではこの形ではほとんど演じられない。

【関連情報】

冗談は寄席。(唐沢俊一検証blog)

モノカキというより落語家、でも落語からも落伍しそうな唐沢俊一先生?(トンデモない一行知識の世界2)

落語のあらすじ 千字寄席 『寝床』

『寝床』(Wikipedia

『オナニー』(Wikipedia


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2009年3月23日 (月)

落語『強情太陽』

ある男が自分は金星人の宇宙船に乗せられて太陽まで行ったことがあると自慢し、太陽はちっとも熱くなかったと言う。
その話を聞いて「本当は熱いのにやせ我慢をしてるんじゃないか」と疑った火星人が、自分の宇宙船に男を乗せて太陽まで連れてゆく。
最初はやせ我慢で熱くないふりをして太陽の表面に座っていた男も、やがて6000度の高温に耐えきれなくなり
「あ、あつ、あつ、あつ、あつ…」
「ほら見たことか。やっぱし熱いんだろう」
「いや、俺は熱くないが、バルンガはさぞかし熱かっただろう」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『強情灸

『ジョージ・アダムスキー』(Wikipedia

『太陽』(Wikipedia

『バルンガ』(Wikipedia

【バルンガ】(全ジャンル敵役最強スレまとめ@ Wiki


(古賀)

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2009年3月21日 (土)

落語『狸匙』

ある南蛮人の手妻つかいが悪童にいじめられている子狸を助け、恩返しに戻って来た狸を匙に化けさせて「壺の中に匙をいれて壺を振っただけで匙を曲げる座敷芸」で荒稼ぎをする。
ところが匙が曲がるのは手妻つかいが「曲がれ、曲がれ」と言った時に限るのに気がついた(たまたま同席していた)ジェームズ・ランディに「てめえが変なことを言うと匙が曲がるから、金輪際曲がれと言うな」と釘をさされ、いつものとおりの芸をやれという意味で「俺だよ、俺。ユリだよ、ユリ・ゲラーだよ。頼むぜ」とささやいて手妻つかいが壺をあげると、狸は大爆笑する百合の花に化けて座っておりました。

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『狸賽』

『ユリ・ゲラー』(Wikipedia

『ジェームズ・ランディ』(Wikipedia

『奇術』(Wikipedia

濃い人のピンチヒッター。』(唐沢俊一検証blog


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2009年2月24日 (火)

落語『芝浜(最終話/大晦日の晩にアイを叫んだ勝五郎)』

「3年前に芝浜で50両入った財布を拾ったのが夢だったんじゃない僕もありえるんだ!」
「50両を拾ったという現実を夢としているのは君の心だ」
「財布の中の大金、それをお上に届けるか届けないか、これらが少し違うだけで人の運命は大きく変わるわ」
「財布は人の数だけ存在する」
「だが君の拾った財布は一つだ」
「心配性の女房の世界観により君のことを守るために変更された情報、ゆがめられた真実」
「人1人が拾う財布のお金なんてちっぽけなものや」
「だけど酔っぱらいは自分のもてる物差しでしか財布をはかれない」
「与えられた他人の財布でしか物事を見ようとしない」
「50両があると気分良く、夢だと思うとゆううつ、教えられたらそう思いこんでしまう」
「50両がなくてもきちんと働いてさえいれば楽しいことはあるのに」
「うけとり方一つでまるで別物になってしまう脆弱なものだ。拾った財布の価値なんて」
「ぼくは…久しぶりにお酒を飲んでもいいかも知れない」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう…だが、待てよ…よそう。また自己開発セミナーと言われるといけねえ」
熊さんにありがとう。八つぁんにさようなら。そしてすべての長屋の住人達におめでとう。

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『芝浜』

第59回 エヴァ雑記「最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの」(WEBアニメスタイルCOLUMN


 
(古賀)

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2009年2月22日 (日)

落語『寝床(絶望落語)』

毎度ばかばかしい絶望を一席。
「わたしはただの家主とはちがい、きちんと義太夫の会をひらいてこの長屋の役に立ちたいと思っている」
「……何もしないでくださるのが一番ありがたいのですが」
「先生…じゃなかった、番頭の茂造さん。小森さんは旦那さまの義太夫と聞いただけで長屋に引きこもって出てきません」
「う、うらやましいですね、小森さんは……あいにく私は子どものときから薬一服いただかないという因果な性分です。絶望した!健康な体が災いする社会に絶望した!」
「この国の義太夫は何だかおかしいよ。訴えてやる!」
「旦那さまの義太夫はこの国でもおかしいんです」
「めるめるめる(『ヘタクソ!』)」
「ソンナコトナイ。ダンナサマノギダユウトテモウマイ。特ニオサシミ」
「私、オナガドリのしっぽから作った酔い止めの薬を持ってきたわ。あなたは何か用意してきた?」
「耳栓を」
「普通…」
「普通って言うなあ!」
「義太夫を語る場所なのか寝床なのかどっちかはっきりしなさいよ。あーー、イライラする!」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『寝床』

『さよなら絶望先生の登場人物』(Wikipedia

 
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2009年1月29日 (木)

落語『芝浜』

芝浜の海岸で空から落ちてきた美少女を拾ったニートの青年。

大喜びで家に持ち帰って酒を飲んで寝てしまったが、目がさめると美少女は影も形もなく近所の幼なじみの女の子に「それは夢だ」と言われてしまった。その後は禁酒を誓って仕事につき、3年もしないうちにそこそこの貯金をためて、大晦日の晩に幼なじみの女の子にプロポーズをした青年。しかし女の子の口から意外な真実が。

何と夢だと思っていた3年前の美少女は実在しており、幼なじみの女の子に大切に拉致監禁されていた。

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『芝浜』


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2009年1月18日 (日)

落語『崇徳院』

「若旦那、何でもおかげんが悪いそうで。病名が何だかわからないって言うじゃありませんか」
「医者にはわからないけど、あたしにはよくわかってる。わたしの病は恋わずらいだ」
「へえー、濃いわずらい」
「字が違ってるぞ」
「若旦那は人の喋った言葉の書き文字がわかるんですか」
「そんなことはどうでもいい。この間、有明に行っただろう。そのときに一人のお嬢さんの売っていた崇徳院×藤原頼長のやおい同人誌を見ていらい何も手につかない」
「へえへえ」
「それからは、何を見てもカップリングに見える。漫画を読んでも小説を読んでもカップリングに見える。あの掛け軸の達磨さんが弟子の慧可とのカップリングに見える。横の花瓶が灰皿とのカップリングに見える。鉄瓶が茶こぼしとのカップリングに見える。おまえの顔までが段々と向かいの家のポチとのカップリングに…」
「よしてくださいよ。気色悪い」

「ご苦労さま、倅の奴は何と言ってました?……ふむふむ。そうか。そういうことなら熊さん、倅のために是非ともそのお嬢さんの居所を探してきてほしい。有明中さがしてきておくれ、有明中さがしていなければ秋葉原をさがしてきておくれ。秋葉原をさがしていなければ日本橋、北海道、沖縄、ニューヨーク、アフリカ、火星、アルファ・ケンタウリ…」
「いくら何でもそんなところに同人誌は売ってません」

というわけで崇徳院の同人誌だけをたよりにお嬢さんをさがしに出た熊さん。
「このへんでいいかな…えへん、瀬を…瀬をはやみ…」
「おや、それは崇徳院さんの歌じゃありませんか」
「よくご存じで」
「ええ、娘がどこで知ったのか、最近崇徳院さんの同人サークルに入って」
「えっ、オタクの、もといお宅のお嬢さんが?…つかぬことをうかがいますが、お宅のお嬢さんは美人ですか?」
「親の口から言うのもなんですが、ご近所では耽美なオタクを生んだなどと申します」
「そうですか。『
崇徳院×藤原頼長』のやおい本を読んで濡れたりしますか?」
「濡れはしませんが、ときどき寝小便をやらかします」
「おいくつで?」
「今年で五歳です」
「さようなら…瀬をはやみィ!」
(参考:ちくま文庫『落語百選・春』朝生芳伸編、講談社文庫『古典落語・下』興津要編)

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『崇徳院』

『やおい』(Wikipedia

『コミックマーケット』(Wikipedia

 
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2009年1月11日 (日)

落語『ちの字嫌い』

血を見るのが嫌いな怪人20面相は部下に「これからはちの字を使ってはいけない。ちの字を1ついったら1年分の給金をやらない」と命令する。部下の1人に化けて紛れ込んでいた名探偵明智小五郎は、「そのかわりもし親分がうっかりちの字を使ったらなんでも欲しい物をもらう」という交換条件を20面相に承知させる。

20面相何とかちの字を使わせてやろうと目の不自由な男が「芋虫ゴーロゴロ」と鼻歌を唸りながら風呂につかっているところに部下を連れていき「この浴槽に入っているのは何だ」と聞くが、部下は「けつ」「けつえき」「せっけっきゅうのはいったたいえき」「ぶらっど」などと言い換えて決してちの字を使おうとしない。
「ちっ、しぶといやつだ」
「ハハハハハ、ついに言ったね、20面相君。君がこのあいだ盗んだ黄金の権助像はこれでぼくのものだ!」

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『しの字嫌い』

『怪人二十面相』(Wikipedia

『江戸川乱歩』(Wikipedia

『盲獣・創元推理文庫』(オンライン書店ビーケーワン)

 
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