2008年10月13日 (月)

『血で描く』 荒木飛呂彦バージョン

「おれは今までの人生で日本各地を放浪しいろいろな古本を見て来たッ!だがこんな化け物は見たこともねえッ!!人間を原稿用紙に変えて漫画の中に引き込む力を越えた力を持つ魔物はよオッ!こんなのが世の中に出てったらこれからの世界はいったいどうなっちまうんだッ!」
「血ッ!沼波恭一が世の中を呪いながらインクに自らの血を混ぜて描いたこの漫画は…血液から人間の隠された未知の能力を引き出したにちがいない!……とすると沼波恭一を倒す可能性は!血で描かれた原稿を完全に燃やし尽くすこと!強い意志を持ってやらねばならない!…強い意志を持つ!沼波恭一はすでに人間ではないのだからッ!魔物なのだからッ!これ以上奴に殺戮を許すわけにはいかん!!」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『ジョジョの奇妙な冒険』(Wikipedia

『荒木飛呂彦』(Wikipedia


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2008年10月 7日 (火)

『血で描く』 西条真二バージョン

「わ…解った…!あいつの漫画が解ったぞォ!」
「へ…編集長!?」
「あいつが…沼波恭一が作ろうとしているのは、『世の中を呪いながら自分の血で描いた漫画』だ!」
「そ…そんなのがあるんですか?自分の血で描いた漫画なんて…」
「もちろんない!自分の血で描いた漫画なんて今まで誰も作ったことがない!だから奴は作るつもりなんだ!」
「…………」
「血で書かれた書そのものが日本にはない。せいぜい自分の血で捺印をした血判書ぐらいだ。だが、世界を見渡せば悪魔との契約書のように血で書かれた書は珍しくはない……生命力豊富な血は魂の通貨、命の貨幣と言ってもいい。沼波は今――『血で書かれた書』のジャンルに新たな一冊を加えようとしているんだ!」
「クックックックックックッ…おまえらはもうオレの漫画から目を離せない!!!」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『鉄鍋のジャン!』(Wikipedia

『西条真二』(Wikipedia


(古賀)

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2008年10月 5日 (日)

『血で描く』 R・A・ラファティバージョン

わいはサブカルチャー評論家のKや――鐘と太鼓で探しても、これだけのインテリは見つからんど。
(中略)
「世の中を呪いながら沼波恭一が自分の血を混ぜたインクで描いた漫画『血で描く』が生きた人間も消去することを、なぜ教えてくれなかった?」新の声はうわずってるみたいや。
「教えたやないか。その本の持ち主はかならず行方不明になるか悲惨な死に方をすると。どや、ホームベースの状況は?こら冗談やけど」
「冗談じゃない。久留間はたまかを抱いたまま本の中に消えてしまったんだ。本は重要参考物件として警視庁の地下金庫に厳重に保管されるそうだ。どうすればいい?」
「きまってるやないか。みんなに説明したれや。『血で描く』を読んで消えた人らは、生きていてもなんの役にも立たん奴等ばっかりやったんや。『血で描く』はまちがいなんかせえへん」
「そんなことで、消された人たちの両親や、配偶者や、子供たちがなっとくすると思うか。やつらは血に飢えているんだ」
「貸金庫の中にある元原稿の血を吸ったらええ――そないいうたれ、新」
わいが教えたんは、古いジョークなんや。
(参考:ハヤカワ文庫『九百人のお祖母さん』P385、P397~P398)

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『R・A・ラファティ』(Wikipedia


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2008年9月29日 (月)

『血で描く』 板垣恵介バージョン

「見せてもらったぞ、『血で描く』ッ」
「チ…デ…エガ…ク…?」
「フフ…知ったところで誰にも使えんッ…世の中を呪いながら精神を極限まで硬直させ、原稿を描く際に使用するインク代わりの自分の血液にその怨念を全て定着する…極めて至難だが成功させたなら自己の全存在をそのまま本にのせることができる…沼波恭一の体重が65キロとするなら『血が描く』を読んだ者は65キロの鉄球を高速度で眼球にクリーンヒットさせた後、本の中に引きずりこまれたことになるッ…ひとたまりもないわッッ!くぐり抜けた修羅場だけがそのタイミングを教える!!!」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『グラップラー刃牙』(Wikipedia

『板垣恵介』(Wikipedia


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2008年9月23日 (火)

『血で描く』 夏目漱石バージョン

金縁眼鏡の美学者は座につくと劈頭第一に「画はどうかね」と口を切った。
主人は平気な顔をして「君の忠告に従って漫画を描いているが、成程世の中を呪いながら血で描くと、作品の読者を引き込む力がまるで違ってくるように思われる。さすが沼波恭一だ」と、日記の事はおくびにも出さないで、又沼波恭一に感心する。
美学者は笑いながら「実は君、あれは出鱈目だよ」と頭を掻く。
「何が」と主人はまだいつわられた事に気がつかない。
「何がって君の頻りに感服している『血で描く』さ。あれは僕の一寸捏造した話だ。君がそんなに真面目に信じようとは思わなかったハハハハ」と大喜悦の体である。この美学者はこんな好加減な事を吹き散らして人を担ぐのを唯一の楽にしている男である。
「いや、時々冗談を言うと人が真に受けるので大に滑稽的美感を挑撥するのは面白い。先達て或る雑学者の居る席で高橋留美子のうる星やつらの話しが出たから僕はあれはSFギャグ漫画の中の白眉である。ことに女主人公ラムが不在ままあたるのモノローグで話がすすむ第1話などは鬼気人を襲う様だと評したら、僕の向こうに坐っている知らんと云った事のない先生が、そうそうラムの出てこない第1話は実に名作だといった。それで僕はこの男もやはり僕同様この漫画をろくに読んでおらないという事を知った」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『吾輩は猫である』(Wikipedia

『夏目漱石』(Wikipedia

『うる星やつら』(Wikipedia

ネット上でも資料がやたら充実なのはさすが『うる星やつら』 』(トンデモない一行知識の世界


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2008年9月21日 (日)

『血で描く』 落語『がまの油』バージョン

「漫画原稿を描いている最中に、インクが足りなくっても驚くことはない。さ、このとおり、世の中を呪いながら自分の血を抜いてインクがわりにすれば、どんな原稿もぴたりと…おわらないな…うん、1回抜いただけで完成しないときは、2回抜く…こんどこそぴたりと…あれっ、おわらない、思ったより必要だな。弱ったな。かくなる上は仕方がないから、また自分の血を抜いてペンにつける…あれあれ、そんなことをやっているうちに、体中の血が全部なくなっちゃったぞ、おたちあい」
「どうするんだ?」
「ここにいらっしゃる方々のうちに、人工血液のもちあわせはないか?」
(参考:講談社文庫『古典落語・下』興津要編)

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『がまの油

 
(古賀)

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2008年9月20日 (土)

『血で描く』 千夜一夜物語バージョン

シャハラザードは朝の光が射してくるのを見て、つつましく話すのをやめた。
妹のドニアザードは言った。
「おお、お姉さま。今あなたの語られた『世の中を呪いながら血で描かれた不思議な書の物語』は何と面白く、興味深く、奇怪至極な話なのでございましょうか」
するとシャハラザードはこれにほほえみかけて答えた。
「けれども、妹よ。この話はもしわたくしになお生命があるならば明晩あなたに話してあげるつもりの、『千の間違いのある本を書いた東洋(盗用)の博学の男の物語』に比べれば、ものの数ではありません。」
それを聞いたシャハリヤール王は心の中で思った。
「アッラーにかけて、その間違いを一つ残らず聞き終わるまではこの女を殺すまい」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『千夜一夜物語』(Wikipedia

 
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2008年9月18日 (木)

『血で描く』 落語『長屋の花見』バージョン

「うちの長屋も貧乏長屋なんていわれてるんじゃ景気がわるくってしかたがねえ。そこでひとつ酒、さかなを持って陽気に花見にでもでかけようとおもうんだが、どうだ?」
「酒、さかなですか…どっかへいってパクって、もとい無断引用してきますか?」
「人聞きの悪いことをいっちゃいけねえよ。そのほうはおれが用意しといたから。そこにある重箱のふたをとってみな」
「ふたをとってと……やあ中身は売れ残った『血で描く』だ」
「そうだ。卵焼きは黄色く塗ってある『血で描く』、かまぼこは月型に切ってある『血で描く』、酒は切り刻んで徳利に入れてある『血で描く』だ」
「こりゃあ驚いた。俺たちゃ山羊じゃねえんだ。いくらなんでもこんなものをがぶがぶのぼりぼりできるか。猫の死んだのを捨てに行く方がまだましだ」
「そんなことを言わずにせっかく花見に来たんだからみんな遠慮なしにどんどんやっとくれ。幹事はぼんやりしていないで、どんどん酌をしてまわっておくれ」
「じゃあ留さんいっぱいいこう」
「いや、遠慮しとこう。この酒を普通の酒みたいに飲むのは命がけだ。きっと飲んでる途中で行方不明になるか、悲惨な死に方をする…」
「おい、怪奇小説の帯の文句みたいなことを言ってことわるなよ。みんな飲んだんじゃねえか。おめえひとりのがれるこたあできねえんだよ。これもすべて社会が悪い、他人が悪いとあきらめて、世の中を呪いながら一杯いけ」
「おい、変なすすめかたするない。どうも場が盛り上がらなくていけねえ。そうだ、六さん、おまえさん、俳句をやってるそうだな。どうだ、花見にきたような句をよんでくれねえか」
「そうですねえ。どうです、『花散りて世の中を呪う命かな』」
「なんだかさびしいな、ほかには?」
「そうですか、では、『血で描いてなむあみだぶつというべかな』」
「なお陰気になっちまうよ」
「なにしろ小説本をがぶがぶのぼりぼりじゃ陽気な句もできませんから」
(参考:講談社文庫『古典落語・上』興津要編)

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

落語のあらすじ 千字寄席 『長屋の花見

 
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2008年9月17日 (水)

『血で描く』 エドモンド・ハミルトンバージョン

「これからどうするつもりですか?キャプテン」グラッグは唸るように低い、機械的な声で言った。
「どうするつもり?決まっているじゃないか。おれたちは太陽系政府主席の要請により、『漫画本の持ち主が必ず行方不明になる』という謎の人間消失事件を引きおこしている犯人をひっとらえて、地球へ連行するんだ。それだけのことさ」カーティスはこともなげに答えた。
「おれが思うに、この事件の犯人は、なにか秘密の振動波を利用して犠牲者の体を必要に応じて漫画本と一体化しているようだな」
オットーはきょとんとなった。
「一体化ですかい?」カーティスはうなずいた。
量子力学においては、すべての物質は固有の原子の振動数を持っていることになっており、これを振動波としてとらえることができる(これは正しい)。そして人間の体を構成している原子の固有振動数を他の物体を構成している原子の固有振動数と一致させることにより、人間と他の物体を一体化させることは理論的に可能だ――とされているんだ。犯人は犠牲者の肉体の固有振動数と漫画本の固有振動数を一致させ、一体化させることにより消失事件を引きおこしているに違いない」
「なんでも太古の日本には、世の中を呪いながら自らの血をインクに混ぜて原稿を描くことにより漫画本の振動数を高めるテクノロジーが存在していたらしいと言われてますね。いまじゃ滅んだも同然だけれど、この事件を起こしやつァ、日本人ですかね?」オットーの質問に対しカーティスは首をふった。
「そいつはまだよくわからん。だがこの一件には、われわれの科学を超えたなにかがひそんでいる。おれは現代の太陽系内の漫画家を全て知っているが、そのうちのだれひとりとして漫画本と読者を一体化するくわだてには成功していないからなァ」
(参考:創元SF文庫『恐怖の宇宙帝王 暗黒星大接近』、ちくま文庫『トンデモ一行知識の世界』P110)

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『キャプテン・フューチャー』(Wikipedia

『エドモンド・ハミルトン』(Wikipedia

『『水からの伝言』と結局シンクロしている、と』(トンデモない一行知識の世界


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2008年9月14日 (日)

『血で描く』 ながいけんバージョン

その1『ムーミン谷の攻防』バージョン

久留間「さあ、この本を読め。最後まで読めば、お前はこの本の中に、入り込む。いや、お前がこの漫画作品に、同化するんだ」
でんでれでんでれでんでんでんでん(頁をめくる音)
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
世の中が悪い。
たまか「うわあああっ」
沼波恭一のスーパーテク「オートリバースエンドレスリフレインリピート」は同じ怨念ばっかで読むと頭がくらくらする。

その2『神聖モテモテ王国』バージョン

「どれ、おまえの長編小説を見せてごらん。おやおや…お前文章が下手じゃから途中に漫画を入れなさい」
「ダイナミックなアドバイスだな」

【関連情報】

『唐沢俊一』(Wikipedia

『ながいけん』(Wikipedia

『神聖モテモテ王国』(Wikipedia

 
(古賀)

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