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2009年4月11日 (土)

落語「厩ツンデレ」

夫婦喧嘩をするたびに「自分の亭主の気持ちがわからない」と愚痴をこぼしにくるおかみさんに大旦那が
「おまえさん達はいつもいつもそうツンツンしてばかりいるからいけない。もし亭主にお前さんを大事に思う気持ちが少しでもあれば、たまにはツンのところではなくデレのところを見せる時もあるはずだ」
「そんなもんなんですか?」
「むかし、唐の国に孔子という学者がいて、学問のある立派な方だったがご家来衆にはたいそう厳しかった。これがツンだ」
「へえ」
「この方が、二頭持っている馬のうち白馬の方をたいそうお愛しになっていた。ところがある日めずらしく白馬でない方の馬でお出かけになり、運の悪いことにその日にお厩から火事が出てご家来衆は何とかして白馬を引き出そうとしたのだが、白馬が火をおそれてどうしても動こうとせず、とうとう焼け死んでしまった」
「そんな。大事にしていた白馬を焼いてしまったんだから孔子さまは怒ったでしょう?」
「ところが帰ってきた孔子さまにご家来衆が白馬を焼き殺してしまったことを伝えると、孔子さまは『みんな怪我はないの?』と聞き、『か、勘違いしないでよね。みんなが無事でめでたいから馬が死んでもなんともないなんて思ってないんだから!』と顔を赤くしながら下を向いた。ご家来衆は『ああ、ありがたい。いつもはとても厳しい方だからこんな風に馬を焼き殺してどんなことになるかと思ったが、ちゃんとこんな時は我々の体だけが心配で馬のことは気にならないと暗におっしゃってくれる。まことにおそれいったツンデレだ』と、それ以来孔子さまに萌えてしまい、ご主人のためには命もいらないと思っていっしょうけんめいにつくしたそうだ。お前さんの亭主もお前さんが何かを壊した時に、デレのところを見せるようでないと先行きの見込みがないな」
「なるほど、わかりました。これからさっそく亭主の大事にしている長門有希のメタモフィギュアを壊して、ちゃんとデレになるかどうか確かめてみます」
(参考:講談社文庫『古典落語・上』興津要編)

【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『火事

『ツンデレ』(Wikipedia

 
(古賀)

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