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2008年11月 2日 (日)

落語「ぶろぐ泥」後編

「えー、ごめんください」
「はい」
「さようなら」
「おい、気をつけなさいよ、おかしいのがうろついてるから……はてなブックマークでネガコメでもつけられてないかい」
「やれやれ…ネット弁慶なんかとまちがわれちゃあしかたがねえや。名前欄を空白のままで『えー、ごめんください』なんてコメントをつけたら、だれだってあやしむよ。次はこのブログでやってみよう。名前欄は空白にしないで『ちょうちん屋ぶら右衛門』とでも入れておこうか…ごめんくださーい」
「はい、なんのご用ですか」
「ええと、文章をパクり放題のブログはここですか?」
「いいえ、違いますよ」
「それはあいにくでした。いつごろパクり放題になります?」
「パクり放題にはしません」
「それは用心のいいことで…では、またパクり放題になったころにうかがいます」
「なんだい、怪しいやつだなあ。名前を言え」
「そこに書いてるでしょう。ちょうちん屋ぶら右衛門と」
「そんなはずはねえ。ちょうちん屋ぶら右衛門はおれだ」
「ええっ、あなたが?そんなことはないでしょう」
「なにをいってるんだ。ちょうちん屋ぶら右衛門はおれがパソコン通信のころからつかっている由緒正しい名前だ」
「いいえ、あなたでない最近出てきたちょうちん屋ぶら右衛門なんで…もっといい男でちゃんと3次元の女の子とも恋愛ができる草食系男子のぶら右衛門」
「なんだ、ふざけるな!」
「さよなら…いやあ、世の中にはまぬけな名前をつけるやつもいるもんだ。ちょうちん屋ぶら右衛門だなんて…変なところに迷い込んだな。次はこのうす汚いブログにはいってみよう…何だかコメント欄がさわがしいな」
「だから笛育長屋の大家さん。最近更新情報を出さないのはあっしが一生懸命書きためた文章を盗んでいった奴がいるからなんです。噂のぶろぐ泥に違いありません。盗まれたのは映画ネタの文章が100,ニュースネタの文章が100,妖怪ネタの文章が100、その他沢山。裏は花色木綿」
「あはははは」
「なんだ?変な奴が笑いながら八公のブログのコメント欄に出てきやがった。いったい何者だ、おまえは?」
「あははは、あんまりばかばかしいじゃねえか。ブログの文章にまで裏がついていて、それが花色木綿だなんて…笑わせるない…それにぶろぐ泥のしわざなんて言ってるが、おれはまだここでは仕事をしちゃいねえ」
「仕事をしちゃいない?…するとてめえが噂のぶろぐ泥か」
「おや、笛育長屋の大家さんですか…いえね。あっしは泥棒には違いないけど、ここのブログにはパクって出版社に売りつけられるような文章なんてどこにもありゃしねえ」
「どこにもありゃしねえったって、人のブログの文章を盗む稼業をしていれば泥棒じゃねえか…まあ、しかし、なにもまだ盗られたわけじゃなしゆるしてやってもいいが…それにしても八公のやつも八公のやつだ。おめえのところにそんなに人にパクられるような文章やネタが沢山あるはずはねえとおもってたんだ…どうしてあんなうそばっかりならべたんだ?」
「へえ、大家さん。うちは嘘ブログですからうそばっかりならべてあります」
(参考:講談社文庫『古典落語・上』興津要編)


【関連情報】

落語のあらすじ 千字寄席 『出来心』

 
(古賀)

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