« 一行知識26 | トップページ | 一行知識27 »

2007年12月26日 (水)

「それじゃあ経典から無断引用して、おめでたい名前をつけてあげよう」

「あーんあーん、おばさんとこのいやあ、身から出た錆とはいえ、今回は参りました。そして、インターネットの匿名性を利用した無責任な魔女狩りは、文字通り中世暗黒時代の私刑となんら変わりが無い。その恐ろしさを身を以って知りました。でも、自分が正しいという信念があるなら、なにも恐れることは無いんだという当たり前の真実を結果的には再確認も出来ましたけどね。実際に起きたことは、実にささいなことなんです。わたしが書き下ろしの新作『新・UFO入門』という書籍の中で、既知のblogから、一文を引用した。その手続き上のミスに過ぎません。『漫棚通信』というアマチュアが主催している、マンガ研究のblogです。非常こに熱心かつ真面目な主宰者で、データ的には充分に信頼にたるものでした。ときどき、おやおやといった間違いが書かれていたときもありましたが、わたしがその旨コメントを入れると――もちろん、本名を記してです――ちゃんと謝辞を添えて訂正する、非常に礼儀正しい人だと思っていたんですが(笑)。そのblogから、過去のマンガの記事に関する部分を引用して、前記の著作に載せたのですが、その際、まことにお恥ずかしいケアレスミスなんですが、その旨を付記するのを忘れていた。このことに関しては100%わたしのミスで、なんの言い訳も出来ません。ところが、ある日突然、その『漫棚通信』というblogに「これは盗作とちゃうんかいっ」という喧嘩腰のエントリが掲載されたんです。もう、一方的にわたしが盗作したと主張する酷い文章で。引用ミス自体に気付いていなかったところに、犯罪者扱いされたのですから、驚きと同時に正直怒りがこみ上げてきました。だって、知らない仲じゃないんですから。しかし、悪いのはこちらですから、謝るしかない。その時点で出来うる最善の(あくまでもわたしはそう思ったんですが)処置をしました。まず事実をわたしのサイトに公開し、謝罪のコメントを掲載しました。それからblog主宰者にはメールで(なにしろ相手の名前すらわからないので、blog宛にメールを送るしか手段がなかったのです)、慰謝料の支払い、在庫分の書籍の裁断、二刷以降には引用の旨を明記するという内容の解決策を送付しました。ところが、主宰者は沈静化させたくなかったらしく、本当にもとの書籍を所持して読んでいるのか(引用は『太陽の子サンナイン』という書籍内容の要約部分なのです)などという追求をしてきたんです。つまり読んでもいない本の内容を、自分のblogから盗用したろうといういいがかりですね。それでも、わたしは当該の書の何ページにはなにが記載されているか丁寧に返しました。しかし、それが甘かった。主催者は、引き続き、「続・これは盗作とちゃうんかいっ」「新・これは盗作とちゃうんかいっ」「これは盗作とちゃうんかいっ・途中経過」とわたしとのやりとりをblogに掲載し続けたのです。事情を知らない第三者が見たら、あたかも負い目をもつわたしが主宰者のいいなりになっているという印象なんです。事実、この辺りから、売れない作家とかコラムニストとかが、自分のサイトで感情的にわたしを叩き始めた。「殺す」とか「潰す」とか物騒な台詞を撒き散らした奴もいましたが、まあ、こんなものは虫みたいなものですから、相手にはしませんでしたがね。とにかく、やっとわたしも相手が「悪質なクレーマー」だと気付いて、総てを法律の専門家に委ねたんです。2ちゃんねるでも散々叩かれましたが、良識ある大人はわたしの立場を理解してくれました。執筆、出演などの依頼も、以前より多くなったくらいです。で、法律的に最大限まで妥協した解決案を提示したのですが、相手は、通常の、このような場合の謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求までしてきたのです。これを認めると、今後、単純な引用ミスをおかしただけの同業者が、これを前例として相手に過大な謝罪を要求されるという事態を招きかねない。残念ながら、交渉を決裂せざるを得ませんでした。出る杭は打たれるというけれど、暇で「他人の不幸は鴨の味」と考えるみっともない同業者が数多くいることがわかったのも思わぬ収穫でしたね。むろん、謝罪文を作成し、サイトに掲載しましたし、2刷以降には最初に約束した通り、引用の旨も明記しています。でも、フェアに徹するのは大変ですねえ。ちゃんがあたいの頭をぶってこんなに大きなこぶをこしらえたよう」

「あらまあ。じゃあなにかい。うちのいやあ、身から出た錆とはいえ、(中略)でも、フェアに徹するのは大変ですねえ。がおまえの頭へこぶをこしらえたってのかい。ちょいと、おまえさん、聞いたかい?うちのいやあ、身から出た錆とはいえ、(中略)でも、フェアに徹するのは大変ですねえ。が、金ちゃんの頭へこぶをこしらえたんだとさ」

「なんだって、うちのいやあ、身から出た錆とはいえ、(中略)でも、フェアに徹するのは大変ですねえ。が、金坊のあたまへこぶをこしらえたっていうのか」

「おまえさん、どうしよう?」

「こぶを認めると、今後、単純にぽかりとやっただけの子供の両親が、これを前例として相手の子供の両親に過大な謝罪を要求されるという自体を招きかねない。『なーんだ、こぶなんかどこにもないじゃないか』と誤魔化してうっちゃっておけ」 落語『寿限無』

裏モノライターの真面目な告白(2007/12/25』(酒とミステリーの日記)

 

(古賀)

« 一行知識26 | トップページ | 一行知識27 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78610/17487046

この記事へのトラックバック一覧です: 「それじゃあ経典から無断引用して、おめでたい名前をつけてあげよう」:

« 一行知識26 | トップページ | 一行知識27 »