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2009年3月22日 (日)

陰萌師

夢枕獏作。

「おまえは良い漢(おとこ)だが、こういう方面の話はあまり興味がないのではないか?」
「だからどういう方面の話なのだ」
「萌えよ」
晴明は言った。
「萌え!?」
「萌えについて、話してきたのだ」
「何を話した?」
「たとえば、この世で一番短い萌えとは何であるのかというようなことをだ」
「一番短い萌え?」
「うむ」
「おれに考えさせるなよ、晴明。教えてくれ」
「この世で一番短い萌えとはハァハァだ」
「ハァハァ?」
「うん。ものの根本的な在様(ありよう)を縛るというのはハァハァだぞ」
「――」
「この世にハァハァできぬものがあるとすれば、それは何ものでもないということだ。存在しないと言ってもよかろうな」
「むずかしいことを言う」
「逆にたとえ平面のものであっても、ハァハァという念を込めることができればそれは現実に存在するのと同じだ」
「ほう」
「男が抱き枕を愛しいと思う。女がプリントシーツを愛しいと思う。その気持ちに名をつけて二次元と三次元の境を越えればハァハァ――」
「ほほう」
うなずいても、しかし、まだ博雅にはわからぬ様子である。
「晴明、おれにはその方面のことは良くわからぬ」
「わからぬでいいさ。巨大掲示板の名無しさんなどは、ハァハァの一言で、この世の一切の萌えキャラを手に入れたつもりになっているのだからな――」

【関連情報】

『夢枕獏』(Wikipedia

『陰陽師(小説)』(Wikipedia

『萌え』(Wikipedia

『ハァハァ』(はてなキーワード)

 
(古賀)


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